竹取物語 現代語訳 貴公子たちの求婚 (一)

竹取物語 現代語訳 貴公子たちの求婚 (一)

訳者まえがき

 

ここに掲示されている訳は「逐語訳」です。

 

直訳に近いので、不自然な文章になっている部分があるのはそのためです。

 

高校生時代の授業の記憶や古語辞典を頼りに訳しています。

 

 

竹取物語 貴公子たちの求婚 第一回です。

 

 

本文
世の中の男性は、身分の高貴な人も低い人も、

 

どうにかしてこのかぐや姫をものにしたいなぁ、妻にしたいなぁ、と

 

その評判を聞いて心惹かれて恋焦がされ心乱されていました。

 

家の周囲の垣根にも、家の門にも、家の使用人でさえも

 

かぐや姫を簡単に見ることはできそうもないのに、

 

夜もよく眠れず、真夜中に出て行って、穴をあけて、のぞき見※1しては、

 

ますます思い乱されていました。

 

いつの頃からかそれを、“よばい※2”と言うようになりました。

 

 

人が参拝しなくなった場所※3にあちらこちら歩いても、何のご利益もありません。

 

家の人たちに物言おうとして、話しかけるけれど、相手にもされません。

 

周りを離れない貴族の息子、夜を明かし、日中もそこにいる人たちも、多くいました。

 

なみ一通りな人は、「用もなく出歩くのは、よくないのだ」と言って、

 

だんだん来なくなりました。

 

 

貴公子たちの求婚 (二)

 

竹取物語
(原文:角川ソフィア文庫 新版 竹取物語より)

 

 

 

訳注
※1 原文:垣間見(かいまみ)、

 

   物の隙間からのぞき見ること。

 

   垣根越しに何とかしてかぐや姫をのぞき見しようとする男性陣の姿は滑稽だけど、

 

   当時の風習では公認されている行為。

 

※2 “よばい”は結婚を求めて呼びかける「呼ばい(婚い)」と、

 

   夜になって男性が女性のところへ隠れて訪ねる「夜這い」の掛詞(かけことば)。

 

※3 原文:人の物ともせぬ所に

 

   “物ともせぬ所”とはなんとも思わない場所のこと。

 

   後に続く(しるし:効果・ご利益)にかかるため、

 

   すっかり寂れたパワースポット的な場所と解釈しました。

 

 

かぐや姫の評判は世間をかけめぐり、下心満載の男性たちが竹取の翁の家の周りを

 

うろうろしだします。

 

とはいえ翁の家のガードも硬く、かぐや姫の姿を見ることもできません。

 

そのため神頼みに走ったり、なりふり構わず家の人に声掛けしたりと必死です。

 

それでも何の甲斐もないとなると、さすがにばかばかしくなって脱落者が続出します。