竹取物語 現代語訳 かぐや姫の生い立ち (二)

竹取物語 現代語訳 かぐや姫の生い立ち (二)

訳者まえがき

 

ここに掲示されている訳は「逐語訳」です。

 

直訳に近いので、不自然な文章になっている部分があるのはそのためです。

 

高校生時代の授業の記憶や古語辞典を頼りに訳しています。

 

 

竹取物語 かぐや姫の生い立ち 第二回です。

 

 

本文
この幼児は、育てるごとに、すくすくと大きくおなりになりました。

 

三か月も経つと、一人前の大きさ※1にまで育ったので、髪上げ※2を行う

 

よい日を占い定めて、髪を上げをさせて、裳(も)※3を着させました。

 

帳(とばり)※4の内からも出させることもなく、神仏をまつるように大事に育てました。

 

この幼児の容貌の清らかさと美しさは世に類例のないほどで、家の中は暗い所がないほど、

 

※5で満ちていました。

 

翁の、体調がすぐれず辛い時も、この子を見れば、辛い思いも止みました。

 

腹立たしいことがあっても慰められました。

 

 

翁は、黄金の入った竹を取ることが長く続きました。

 

どんどんお金持ちになりました。

 

この子がたいそう大きくなったので、ふさわしい名前を、御室戸(みむろと)にいる

 

斎部(いんべ)の秋田※6を呼んで、付けさせました。

 

秋田は、“なよ竹のかぐや姫”と命名しました。

 

このあと三日間、宴会を催して楽しみました。

 

様々な詩歌や管弦を奏しました。

 

男性であれば誰彼の区別なく呼び集めて、盛大に盛り上がりました。

 

 

貴公子たちの求婚 (一)

 

竹取物語
(原文:角川ソフィア文庫 新版 竹取物語より)

 

 

 

訳注
※1 十二,三歳ぐらいの大きさ

 

※2 “髪上げ”とは年頃(十二歳から十五歳ぐらい)に成長した女子の成人式のこと。

 

   貴族であれば“裳着(もぎ)”という、成人したしるしに初めて裳を着る儀式を

 

   同時に行う。

 

※3 女性が正装のとき、上着の後ろ腰につけて後方に裾を長く引いた衣。

 

※4 室内を仕切るついたてのこと。

 

※5 光の源はかぐや姫。

 

   人が光るなんて不自然な描写だけれど、帝がかぐや姫を

 

   見分ることができたのもこの光のため。

 

   なので光は家の中の雰囲気を指さないと解釈しました。

 

※6 一説によると“御室戸”は宇治市の地名。

 

   “斎部”は採竹を営む一族の、祭祀をつかさどる氏族。

 

   “秋田”は名前。

 

 

たった三か月で9センチから12歳の女子に成長したかぐや姫。

 

きらめき輝く姿など、変化の人として描かれています。

 

翁の家も裳着を行えるほどの財力を持つに至っています。

 

それにしても翁は子煩悩です。

 

成人式の祝いに大勢を呼び集めて、盛大に盛り上がるところも翁の人柄を表しています。

 

 

さて、学生時代のように逐語訳をするとこのような“現代語としては変な”文章になります。

 

語順を入れ替えたり、省略をすれば文章としてもっと良くなるはずです。

 

でも、学校の授業は意訳を許してくれません。

 

文章の出来よりも、古文文法や敬語を理解度が評価されるからです。

 

こんな面白味のないことは、古文を好きになるきっかけを摘み取るのではないかと

 

思っています。

 

逐語訳が終われば「意訳」を行うつもりです。